創立20周年記念ラムサール条約登録地研修メンバー

団長:大野 一敏(NPOベイプラン・アソシエイツ理事長)
幹事:木村 孝夫(NPOベイプラン・アソシエイツ副理事長)
参加メンバー:
尾形 かず江(NPOベイプラン・アソシエイツ事務局)
皆川 泰蔵(元船橋市船橋観光協会会長)
皆川 泰子
田嶋 俊一(NPOベイプラン・アソシエイツメンバー)
田嶋 一枝
島田 泰三(NPOベイプラン・アソシエイツメンバー)
満田 隆夫
満田 好美(NPOベイプラン・アソシエイツ事務局)
坂田 憲重(NPOベイプラン・アソシエイツメンバー)
東  明(NPOベイプラン・アソシエイツメンバー)
大嶋 京
勝田 和美

【研修日】
2018年8月23日~8月24日

【各研修地対応担当】
熊本荒尾干潟荒尾市市民環境部環境保全課
主幹 中村 安弘
環境省 荒尾干潟水鳥・湿地センター担当
環境企画調査係 中山 和也
東よか干潟佐賀市環境部 環境政策課 自然環境課
溝口 貴宏
他2名:東与賀まちづくり協議会会長・元自治会会長
肥前鹿島干潟鹿島市役所 建設環境部 環境自然課
課長補佐兼ラムサール条約推進室
室長補佐 永石 慎一

荒尾干潟

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東よか干潟

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肥前鹿島干潟

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3登録地比較

各ラムサール条約登録地との意見交換

Q.ラムサール登録地への軌跡の中で、盛り上がりはどこから?

(荒尾干潟)
当初、民間団体から市に対し登録の薦めがありました。市も前向きに捉え、すぐに荒尾干潟の特集を作成し、市民に配布し推進していった。環境省も登録地を増やしていく機運が高まっていたので市長と登録に向けて動いて行きました。市長主導の基、漁業関係者、農業関係者、会議所、自治会、環境保護団体等で協議会を立ち上げ、会を進めていく内に推進協議会会長に漁業組合長が就任されて登録に尽力していただきました。

(東よか干潟)
環境省からラムサール条約登録候補地として登録の要請があり、行政主体で利害関係者への説得から始まったが、自治会、地区協議会の大きな協力があり、漁協関係者への理解も深まっていき、市長主導の基,行政、自治会、利害関係者、子供たちも巻き込み登録に向かった。

(肥前鹿島干潟)
環境省からラムサール条約登録候補地として登録の要請があり、市長主導の基,行政、市民団体等一体となって登録へ推進した。

Q.ラムサール登録地にするにあたって障害はありました?

(荒尾干潟)
「ラムサール条約って何?」そもそも何ぞやということで知らない人の方が多かったので、とにかく丁重な説明の必要性を感じた。くれぐれも漁業に支障がないようにとの要請をしていた漁業組合長も、東京三枚洲干潟のシンポジウムに市と参加をして、理解を深めていき、逆に荒尾の漁業のブランド化を図る方向で推進に協力していただいた。

(東よか干潟)
利害関係者の理解を得るという障壁はありました。海苔養殖業から鳥の食害が増えるのではという誤解があり、登録地になっても鳥が増えることはなく鳥の除去も可能であることを説明した。隣接する佐賀空港との話の中でも「バードストライク」問題についても同様に対応していきました。漁業・農業に支障があるのではという誤解を解き、ラムサール条約登録地になることで知名度が上がり、漁業・農業の振興に役立つと説明した。

(肥前鹿島干潟)
漁業関係者には、登録に向けて説明会を丁重に行った。一部海苔養殖事業者から、国指定鳥獣保護区特別保護地区になることによって、食害影響のために伴う反対意見が出ました。しかしながら、登録地になって鳥獣が増える訳ではなく、仮に食害が認められた場合には駆除が許可されていることを丁重に説明した。

Q.登録地 維持の為の苦労はありますか?

(荒尾干潟)
※まだまだ周知されていないところが市民にもあり、啓蒙活動の継続が必要
※景観維持の為の清掃活動

(東よか干潟)
※有明海最奥地なので、大雨の後などゴミが集積され、清掃活動が大変
※登録地になって環境維持の責任を感じるようになった

(肥前鹿島干潟)
※環境維持の為の清掃活動、草刈り→地元及び市民の協力→理解
※道路、駐車場のインフラ設備
※登録地に多くの来訪者が訪れるための施設の展開
※利活用<ワイズユース>が可能になってきた。

Q.登録地になって良かったところは?

(荒尾干潟)
※推進していった人々も含め、自分たちの身近にあった当たり前の海がとても素晴らしい環境にある海であることを再認識できた。
※特産の「まじゃく(穴じゃこ)」の単価がブランドされて上がってきた。
※荒尾市への来訪者が増えた。
※荒尾干潟、東よか干潟、鹿島干潟の連携が深まり、事業の広がりができた。

(東よか干潟)
※東よか干潟の知名度が上がり、来訪者が増えた。
※子供たちへの良い学習材料になった。
※イベント・観光事業の広がりができた

(肥前鹿島干潟)
※市民の環境保全に対する意識の向上(自然観察、環境教育、清掃活動)
※登録地になって鹿島市の知名度が上がり、来訪者が増えた。
※登録地になって、清掃活動への協力に理解が深まった。

Q.その他、ラムサール登録地になって変わったことは?

(荒尾干潟)
※市民の環境への関心が深まった。
※環境省主体の学習センターができる等、地域振興になっている

(東よか干潟)
※ラムサール条約登録地となり、漁業、農業のブランド化が進んだ。
※東よか干潟に関する市民団体も活動が活発になった。

(肥前鹿島干潟)
※事業瀬策の展開拡大(環境教育、観光資源の増加、産業活性化、地域の活性化)
※他登録地との連携により新しい事業展開の充実、新しいアイデア発見、魅力ある事業展開の可能性が出てきた。

研修後記

「船橋三番瀬をラムサール条約登録する為に・・・」
NPOベイプラン・アソシエイツ
理事長 大野一敏

船橋浦「三番瀬」は江戸時代から、一目も二目も周辺から認められた好漁場で徳川家康はそれを一早く活用した。

1590年太田道灌のかつての居城「江戸城」に入る、家中の食糧自給のため「江戸城御用達の御菜浦」に指定した。

1985年、世界野生生物基金日本委員会版月刊誌
「野生生物」WILD LIFE9VOL.15NO.116に”特集ウェットランド・キャンペーン”を発表した。

そこには「大地と水が出合うところ」と題して、ウェットランドとは大地と水が出合う生態系であり、湿原、湿地、沼地、マングローブ林、河口周辺の浅海・湖など常時、または季節によって豊富な水が支配的要素となる場所を指す。
「そこは地球上の生態系の中でも、取り分け生産性豊かな貴重な部分である。」を記している。

ラムサール条約はこのウェットランドを守ることで、人間の生活を豊かにしようとする運動で、こうした事を充分理解し、漁業と農業を振興・発展させこそすれ、それを妨げるものではない

具体的なことを有明海視察で良く理解できた研修旅行でした。

漁組が主催する「マジャク(穴じゃこ)釣り大会」